東明寺

九州最北端の天台宗寺院

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御本尊

不動明王

年中行事

節分会(厄除け護摩祈願)・春季彼岸会(納骨堂回向法要)・おせったい法要(お砂踏み)・孟蘭盆会施餓鬼法要・秋季彼岸会(回向法要、法話)

月例行事

不動講(毎月二十八日)

縁起

その昔、当山は戦国時代から天台宗東明寺として広大なる境内地を有し、大伽藍の完備した寺院があったという。古い文献にもその名前は登場し、かなり大きな寺であったらしい。しかし、いつの頃か焼失遂には廃寺となり、その名を留めるだけであった。史料にも「東明ヶ丘」「東明寺城」等の名が見られる。地元門司港は、「バナナのたたき売り」の口上にあるように、「門司は九州の大都会」として大正時代頃大変賑わいを見せていた。その頃縁あって東明寺中興を発願して先々代澄寛和尚が現在地に寺を建立した。その後前住恵澄師によって本堂建立、境内地拡張、会館建設等を経て、伽藍整備に勤めてきた。近年付近に門司港レトロ地区が造られ、観光地として賑わいを見せている。寺院としても往時の隆盛を取り戻すべく教線拡張に勤めている。

名所

門司港駅(大正期ルネッサンス様式)を中心とした門司港レトロ地区

交通アクセス

JR鹿児島本線門司港駅下車、徒歩25分。西鉄バス海岸経由田野浦行東門司二丁目下車。徒歩5分。九州道門司ICあるいは北九州都市高速春日IC下車。関門トンネルへ向って約2km。トンネル入口の二つ手前の信号を右折。その後六つ目の信号を右折。

住職の閑話

境内の道沿いに高さ二メートル程の子安大師がおりしてある。天台宗の寺だが弘法大師のお姿である。これは大正期頃に近くに住んでいた上岡ハルさんという産婆さんが、無事に一万人の子供を取り上げたことを感謝し、その子達の健やかな成長を願って奉納したものである。一万人といえば五十年間働いたとして年間二百人の子供が近所で生れたことになる。かなりの数だが「生めよ増やせよ」の時代からするとその数字も納得できよう。現在も道行く人が毎日手を合せ、お賽銭を上げている姿をよく見かける。有難いことである。その一方で日課のように来ている賽銭どろぼうがいる。時折出くわすが、何かあってもいけないので特に咎めない。そんなことをしても「いいことはないだろうに」と思う。お大師さんはそんな時もいつもと変わらず見守っていらっしゃる。誰もが仏の子であるからか。