聖徳寺

雷除け寺

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御本尊

十一面千手観世音菩薩七尺の立像である。平安末期鎌倉時代の作風を残し、脇士不動明王、毘沙門天王の配置であり徳川時代は本尊の破損甚しく、不動明王を本尊に当てていた様である。現在は明治末期より大正初年にかけて修復なり本に復する。

ご詠歌

鳴る神の激しき音も火宅をば出でよと誘う三つの小ぐるま

年中行事

花まつり四月八日・雷神縁日七月十五日・閻魔縁日八月十六日・例祭毎月十八日

縁起

開基は用明天皇の御代(五八五~七)、元明天皇の御代和銅二年(七〇五)、応徳二年(一〇八五)、等の説があり、良快和尚の開基又は再興と云われ、細川家文庫にも、「白河院御宇応徳年中之開基、其後堀川院御宇、勅願により一切諸堂御建立、往古ノ坊舎一百余り御座候。中興大僧都永秀ノ時代、天文年中迄は坊数三拾六坊残居候」。と記載の資料がある。天正年間佐々成政の兵乱により破却、加藤清正によって現在地に再興されたと伝わっている。当山には鎌倉時代の作風を残す雷神像があり、近隣からは同時代の五輪の残欠多く出土する事から、当時本尊千手観音、脇侍不動明王、毘沙門天及び雷神、風神をセットする二十八部衆が安置された一大迦藍があったことが想定されています。当山には良快和尚雷災を封じた「雷神伝説」、河童の悪業を戒めた「河童駒引伝説」があり七月十五日の祭りには雷除けのお礼が出されています。

交通アクセス

JR鹿児島本線熊本駅よりタクシーにて十分。産交高橋バス停下車、徒歩三分

住職の閑話

今生きていられる事

私達人間、今生きていられるのは自然環境を構成する物皆働き施しているから。私達身体に摂り入れている栄養物、水、酸素、總て働き絶対の施しであるから。私達身体の器官總て無我の働きをしているから。人間社会構成の人、皆思合いの働きをしているから。人々の暖かい思いやり豊かな心の施しがあるから。当り前の世の中の事、個々總ての働き施しがあるから生きていられるのである。秩序と調和を保ち厳然とした自然の法は總ての働きと絶対無我の施しである。大宇宙から個々総てを貫く不可思議な働き、一切を生かす佛の施しである。總ての生成、成立、展開の法は佛の示す教えである。施しと法によって生きているあなたは、今、佛の教えに従って、あなたの暖かい豊かな心の働きを、あらゆる人、事柄に施す事ができたでしょうか。伝教大師宣えり。「己れを忘れて他を利するは慈悲の極みなり」