甲山寺

原 町 観 音

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御本尊

千手千眼観世音菩薩

年中行事

花まつり・地蔵盆・十七夜

縁起

元禄七年(西暦一六九三年)清水寺の隆尚法印によって建立され本尊は千手観音を祀る。ここ原町は、薩摩街道の宿場町として栄え現在の原町郵便局あたりに、お茶の接待をした「お茶屋」があり多くの人々が往来していた。毎年旧暦の八月十七、十八日の二日間は観音様の縁日で賑わい、町の両側には色々な出店や催し物が並んだ。中でも、遠目がねという珍しい時代ばやしの歌入りもので男女二人が掛け合いに竹のムチに手拍子を合せ、現在の紙芝居のような事が催され、それが非常に面白く見物人も多かった。又、「買うてくれんの十七夜」という珍しい風習があった。土地の娘子は参詣に来た男達に「買ってくれんの」と言って腕にすがり、男は一言話しただけの娘子に物を買ってやるのである。男達はその十七夜の為に働き貯蓄をし、観音様を参詣したといわれる。娘子達は、十七夜の縁日が終る頃お互い買ってもらった品々を見せ合い自慢するという娘子達にとって一年中で一番の楽しみであった。誠に奇な風習であって他郷に類例のないということであり、筑後、肥前、肥後からも参詣が多く大変賑わったということである。〈筑後郷土史資料より〉

交通アクセス

住職の閑話

久しく寺院活動が途切れていたが、平成九年頃より戦争で途絶えていた夜まつりが地元の有志、青年団を中心に再興され原町内で数少ないまつりの一つになっている。甲山寺は、地元の人々からは「原町観音」と呼ばれ、時には筑後西国二十七番札所として遠方からも団参がある。