福城寺

通称甲佐岳観音

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御本尊

十一面観世音菩薩南北朝時代檜材一木造彫眼彩色(後補)木造釈迦如来立像(像高一〇三・三cm)国指定重要文化財檜材、寄木造玉眼漆箔鎌倉時代作(像高九八・六cm)

ご詠歌

かけまくもかしこき法の甲佐岳大慈大悲のかけあらたなり

寺宝

宝剣一振り平重盛奉納と伝ふ金湯呑平重盛使用せると伝ふ

年中行事

初観音大祭一月十八、十九両日・山開き三月第一月曜日・春秋彼岸会祭典・山王社祭四月初申の日・毎月十八日祈祷祭・その他各祭り催事

縁起

当寺は標高七五三米の甲佐岳の八合目に有る。頂上に吉見神社を祀る。甲佐大明神の神宮寺として湛西上人の開基なり。その後一時中絶したのを平重盛が再興し五穀豊穣と天下安穏を祈願したと言ふ。寺伝には五十二代嵯峨天皇の弘仁二年「八一一」湛西上人の開基とある。甲佐岳山中には当時十六坊を有し近郷の祈願信仰の中心をなしたといわれている。天正年間の兵火によって焼滅し福城寺のみが遠方の奥の院の為難をのがれたと言い現在に至っておる。本堂の外馬頭観音堂、山王社仁王門、鐘楼有り。平成五年より一五年迄に鐘堂、仁王門、山王堂を新築檀信徒の方々の暖い信仰の心に感謝しております。肥後三十三番霊場の第四番札所

交通アクセス

熊本より熊本バス浜町行にて途中霊台橋バス停にて下車徒歩約一時間。タクシー便有り。

住職の閑話

甲佐岳頂上に吉見神社がある。固い石灰岩の山、その一角に大きな岩の間に人がやっと通れる位の穴がある。その穴を針の耳と呼んでいる。なんでだろう、即ち心の雲っている人は針の穴に糸を通そうと思っても手がふるえて糸が通らない。心に曇りのある根性の悪い人は穴を通れないと云ふ事だ、昔から良く教へたものだ。人間は正しい心をもって諸事に当り真面目でやさしい心を持ちたい。宗祖大師の宝とは道心なりを今一度考へよう。