真実愛

 今回は、お釈迦様のお言葉をおかりして書きます。

  『愛するものらと相逢ことなかれ』

 大変冷たい言葉のように聞こえます。

 しかし、愛ほど私達を苦しめるものはありませんね。愛するゆえに憎しみもし、愛のために人を傷つけ悲しみもするでしょう。

 「もう二度と人を愛すまい」と失恋した人、愛する我が子や妻を失った人はしみじみとそう思います。しかし、だからといって愛を絶滅してしまうことなど出来るはずがありません。

 お釈迦様の弟子、阿難は、眉目秀麗の青年だったため、女性の誘惑に苦しんでいました。その気持ちを素直に相談したところ、

  『女性と逢わぬがよい。もしあったら、見ぬがよい。もし見たら、愛着せぬがよい』

と答えられました。山にこもって苦行しろとか、滝にうたれろなどとはおっしゃいません。「執着するな」ただこれだけでした。

 愛や欲が人間を苦しめるのは、この「愛する者に対しての執着心の強さ」によるものです。程よい愛をもつこと、慎みをもった愛をもつことです。

 母を拒むような夫婦愛、息子の嫁を拒むような母子の愛、そのような愛を制御した大きな愛、それを皆さんももちなさいとおっしゃっておられます。