相良寺

千手観音の救い・千年を越えたその歴史変遷

相良寺.psd

御本尊

千手千眼観世音菩薩永正年間に隈部親氏富田安芸守直方発願により再建木彫の丈六坐像では日本最大と言われる。

ご詠歌

観音にその身を委ね縋りつつ妙智の力永久に救わん

寺宝

菊池武光陣中矢除守本尊不動明王(町指定文化財)・歓喜天・彦根藩守井伊家に伝わったもの・鰐口・天文十七年作(町指定文化財)・地獄極楽絵図釈迦涅槃絵図

年中行事

春季大祭三月十五日~十八日・星祭、花祭、四万六千日祈願祭観音御縁日(毎月十八日)

縁起

当山は伝教大師最澄上人が弘仁五年に開基されたと伝えられている。源平時代、源氏の武将であった緒方三郎惟栄の一党に攻め入られたため、本堂をはじめ九十九坊のすべてが焼失した。その後、永正年間に千手観音が再興され、明治時代の廃仏毀釈の法難を逃れ、今日に至っている。当山は祈願寺なので、様々な趣旨の御祈祷に来られるが、特に古来より安産、子授に霊験があると言われている。その由来は、第六十一代の朱雀天皇の時代にさかのぼる事になるが、当時の勅使がご来山になり七日間本堂にお籠りになり、一心に祈願されたところ第六十二代村上天皇が誕生されたことに端を発する。又、附近には、国指定特別天然記念物であるアイラトビカズラ樹があり、御本尊である千手観世音菩薩との数々の伝説も存在する。御本尊千手観世音菩薩は、木彫りの座像としては日本最大と言われ、毎月善男善女が様々な願いを祈念されている。

交通アクセス

九州自動車道菊水インターを下りて左折、山鹿温泉方面に進み国道325号線を直進し鹿本町来民交差点を左折菊鹿町方面へ向かう。

住職の閑話

諸行無常、人生はたえず変化して止まない。呼吸や新陳代謝をはじめ、この世で起こる全ての事象で変化しえないもの等、何一つ存在しない。人は、自分が置かれた環境や健康・仕事・人間関係等が順調な時はその感謝を忘れ、安定が継続していくことを望んでいる。ところが、いざ苦境に立たされた時、行き詰まった時には誰もが一日も早くその状況を脱したいと必死で苦悩する又、そのような時こそ、その人の資質がためされる時でもある。しかし「窮すれば変ず、変ずれば通ず」で、そのような状況時に観音様を念じ、生き方、考え方、方向を前向きに対処する事により思いもよらなかった道が開かれる場合がある。順境、逆境であれ、一心に観音様を念じ、進むべき道を見つけながら前進し、苦難を乗り越え悔いのない人生を送って頂きたいと日々願うばかりである。